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JAIDA 利益相反管理規程

構造上生じる利益相反を隠さず、申告・除斥・監事の検証・年次開示という手続きによって無害化するための規程です。

v0.1(草案)/ 理事会承認前

一般社団法人 日本AIディレクション協会(設立準備中)
制定: 2026年〇月〇日 / 版: v0.1(草案・理事会承認前)

前文

本協会は、株式会社アイデアプラスが創設協力企業として設立準備を担って発足した。同社は本協会の認定教育事業者および認定人材派遣事業者としても活動しており、本協会の代表理事は同社の代表取締役を兼務している。

この構造は、放置すれば認定の公正性に対する重大な疑義を生じさせる。

本規程は、当該構造を隠すのではなく、構造から生じる利益相反を特定し、手続きによって無害化することを目的とする。本協会は、利益相反の存在そのものではなく、その管理の不在こそが問題であるという立場をとる。

第1章 総則

第1条(目的)

本規程は、本協会の役員・委員・職員が、本協会の職務遂行にあたり、自己または第三者の利益を本協会および認定制度の公正性に優先させることのないよう、必要な手続きを定めることを目的とする。

第2条(定義)

本規程において、次の用語はそれぞれ以下の意味を有する。

用語 定義
役員等 本協会の理事、監事、認定審査委員会委員、試験委員、および事務局職員
副理事 定款の定めにより置く理事であって、代表理事に事故があるとき、および第8条第2項に定める議案において議長を務める者
認定教育事業者/認定人材派遣事業者 認定基準書 第7章および第8章に定める者をいう
関係法人 役員等が、役員・従業員・顧問・株主(議決権5%以上)のいずれかの立場を有する法人
利益相反 役員等の個人的利益または関係法人の利益と、本協会および認定制度の公正性との間に、実際にまたは外形上、対立が生じうる状態
対象議案 次に掲げる議案をいう。
① 認定教育事業者の認定・更新・取消
② 認定人材派遣事業者の登録・更新・取消
③ 個人認定の可否および認定の取消
会員の入会承認および除名
⑤ フィーの決定および改定
認定プログラム監修の受託およびその条件の決定
⑦ 本協会の取引先選定および契約の締結

第3条(基本原則)

  1. 役員等は、利益相反が存在する場合であっても、これを申告し、本規程に定める手続きに従うことにより、本協会の職務を継続することができる。
  2. 利益相反の存在を申告しないこと、および申告した利益相反に係る議案の決議に参加することを禁ずる。
  3. 本協会は、利益相反の状況を毎年公開する。

第2章 申告義務

第4条(就任時の申告)

役員等は、就任時に「利益相反申告書」を提出し、以下を申告しなければならない。

  1. 関係法人の名称および自己の立場
  2. 関係法人が本協会の認定・登録を受けている、または受けようとしている場合はその旨
  3. 本協会との間に取引関係がある、または生じうる場合はその内容
  4. その他、利益相反を生じうる事情

第5条(変更時の申告)

役員等は、前条の申告内容に変更が生じた場合、変更から30日以内に事務局へ届け出なければならない。

第6条(議案ごとの申告)

役員等は、理事会・委員会において対象議案が付議される際、当該議案に関して利益相反を有する場合、審議開始前にその旨を申告しなければならない。

第3章 除斥および回避

第7条(除斥)

  1. 役員等は、自己または関係法人が当事者となる対象議案について、審議および決議に参加してはならない
  2. 除斥された役員等は、議長の求めがある場合に限り、事実関係の説明のために出席することができる。この場合においても、意見表明および決議への参加はできない。
  3. 除斥の事実および理由は、議事録に記載する。

第8条(代表理事に関する特則)

本条は、本協会の構造上、最も重要な規定である。

  1. 代表理事は、その関係法人(株式会社アイデアプラスを含む)が申請者または当事者となる以下の議案について、審議・決議・事前の意見表明のいずれにも関与してはならない
    • 認定教育事業者の認定・更新・取消
    • 認定人材派遣事業者の登録・更新・取消
    • 当該法人に対するフィーの減免または特例の適用
    • 当該法人との取引契約の締結
  2. 前項の議案については、副理事が議長を務めるものとする。副理事を欠くとき、または副理事が当該議案について利益相反を有するときは、代表理事の関係法人と利害関係を有しない理事のうちから、監事の同意を得て議長を選出する
  3. 前項の決議には、監事の出席および意見表明を必須とする。
  4. 第1項の議案に関する審議の経過および決議の結果は、議事録の該当部分を公開する。

第9条(試験・採点における除斥)

  1. 試験委員は、自己または関係法人に所属する者が受験者である場合、当該受験者に係る出題および採点から除斥される。
  2. 採点者は、受験者の所属を認識しうる状態で採点してはならない。事務局は、採点対象物から所属を識別しうる情報を除去したうえで採点者に配布する。ただし、上級認定の実績ポートフォリオ審査および口頭試問については、その性質上、本項を適用せず前項および次項による。
  3. 上級認定の口頭試問において、受験者と利害関係を有する評価者は、当該受験者の評価に参加できない。

第10条(認定審査委員会)

  1. 認定審査委員会は、理事会の決議により設置し、委員は3名以上とする。委員の任期は2年とし、委員名簿を公開する。
  2. 認定審査委員会は、過半数を、認定教育事業者・認定人材派遣事業者のいずれにも所属しない委員で構成しなければならない。
  3. 特定の一法人に所属する委員が、委員総数の3分の1を超えてはならない。
  4. 前2項の要件を満たさない場合、認定審査委員会は対象議案を審議できない。

第4章 監事の役割

第11条(監事の独立性)

  1. 監事は、本協会の理事および認定教育事業者・認定人材派遣事業者のいずれにも所属しない者から選任する。
  2. 監事は、本協会および関係法人と、報酬(監事報酬を除く)・取引・雇用のいずれの関係も有しないこと。

第12条(監事の職務)

監事は、本規程の運用に関し、次の職務を行う。

  1. 対象議案の審議・決議への出席および意見表明
  2. 利益相反申告書の内容確認
  3. 除斥手続きが適切に実施されたことの確認
  4. 年次の利益相反状況報告書の確認および意見付記
  5. 本規程の違反が疑われる場合の調査

第13条(監事の是正権限)

監事は、本規程に違反する決議がなされた、またはなされようとしていると認めるとき、当該決議の停止または再審議を求めることができる。理事会はこの求めを拒否できない。

第5章 開示

第14条(年次開示)

本協会は、毎事業年度終了後3ヶ月以内に、次の事項を本協会サイトにおいて公開する。

  1. 役員等の関係法人一覧(氏名・役職・関係法人名・立場)
  2. 対象議案における除斥の実施状況(議案の概要・除斥された役員等・議長・監事意見の有無)
  3. 関係法人との取引額(認定教育事業者フィー、監修フィー、業務委託費等の内訳)および関係法人からの寄付・借入・債務保証の有無と金額
  4. 認定教育事業者・認定人材派遣事業者の一覧(法人名・認定レベル・認定年月日)
  5. 認定者の所属分布(法人別の認定者数。特定法人への偏りを可視化する)
  6. 入会申込の件数と、承認・不承認の件数
  7. 不服申立ての件数と結果の概要
  8. 事業報告および決算(収支計算書・貸借対照表)
  9. 監事による意見

第15条(開示の趣旨)

前条第5号に定める認定者の所属分布の開示は、本協会の認定が特定法人に偏在していないかを、第三者が独自に検証できるようにすることを目的とする。

また、前条第3号に定める関係法人からの寄付・借入の開示は、本協会の財政的独立性を検証可能にすることを目的とする。設立初期において創設協力企業からの資金支援を受ける場合、その事実と金額は必ず開示する。

偏在が生じている場合、本協会はそれを隠さず開示し、原因と対応方針を併せて説明する。

第6章 違反への対応

第16条(調査)

本規程の違反が疑われる場合、監事は調査を実施し、理事会に報告する。調査対象となった役員等は、調査に協力しなければならない。

第17条(措置)

違反が確認された場合、理事会は次の措置を講じることができる。

違反の程度 措置
軽微(申告漏れ等で実害なし) 是正勧告・再発防止の指導
中程度(除斥手続きの不履行) 譴責・当該決議の取消および再審議
重大(意図的な隠蔽・不正な利益供与) 解任の提案・認定の取消・外部公表

第18条(決議の効力)

  1. 本規程に違反してなされた対象議案の決議は、監事の求めにより、将来に向かって取り消すことができる。
  2. ただし、当該決議により認定・登録を受けた者が手続きの瑕疵につき善意であるときは、その地位を害しない。
  3. 前項の場合、本協会は当該議案を第8条の手続きにより速やかに再審議する。

第19条(通報)

  1. 本協会は、本規程の違反に関する通報を受け付ける窓口を設置する。
  2. 通報窓口は、事務局から独立して設置し、監事が直接受領する体制とする。
  3. 通報者に対する不利益取扱いを禁止する。

第7章 移行に関する特則

第20条(設立初期の特例と解消計画)

  1. 本協会の設立初期においては、事務局機能の一部を株式会社アイデアプラスが担う。この体制は、本協会の運営基盤が整うまでの暫定措置である。
  2. 本協会は、設立から3年以内に、事務局機能を同社から独立させることを目標とする。
  3. 前項の進捗は、第14条に定める年次開示において報告する。

第21条(初期の上級認定者不在への対応)

制度開始初期においては上級認定者が存在しないため、認定審査委員会の委員および試験の評価者は、実務経歴に基づく審査により選任する。この選任基準および選任結果は公開する。

第22条(設立準備段階における決定の追認)

  1. 本協会の設立前に設立準備者が決定した事項のうち、第2条に定める対象議案に相当するもの(フィー水準の決定、事務局業務委託契約の締結等)は、設立後最初の理事会において、第8条の手続き(代表理事の除斥・副理事等による議長・監事の出席)により改めて決議する
  2. 前項の決議までの間、当該決定に基づく契約は暫定的なものとして扱う。
  3. 追認の対象となった事項および決議の結果は、第14条に定める年次開示において報告する。

第23条(設立時認定に関する特則)

  1. 本協会は、制度開始にあたり、正規の認定試験によらない設立時認定を行うことができる。
  2. 設立時認定は、本協会および関係法人に所属しない外部評価者2名以上による実績審査により行う。
  3. 設立時認定の審査基準・審査者・審査結果は、全件を公開する。
  4. 設立時認定者の数は、5名を上限とする。
  5. 設立時認定者の認定番号は、正規の認定試験による認定者と区別できる体系とする。
  6. 代表理事は、その関係法人に所属する者の設立時認定の審査に関与してはならない。
本条の趣旨

制度開始時には認定者が一人も存在せず、認定審査委員会の委員要件(第10条)や認定教育事業者の講師要件を満たす者を確保できない。この空白を埋めるために設立時認定を認めるが、これは正規の認定と同一ではない。創設に関わった法人の所属者が第1号となることが構造的に起こりやすいため、外部評価者による審査と全件公開を必須とする。

附則

  1. 本規程は理事会の決議により改訂する。改訂案は30日間公開して意見を募集し、監事の意見を付して理事会に諮る
  2. 本規程 v0.1 は草案であり、理事会承認をもって施行する。
  3. 本規程の運用状況は、施行後1年を目途に見直しを行う。
  4. 本規程に定めるもののほか、個人情報の取扱いについては別に定めるプライバシーポリシーによる。

補注: 本規程の設計思想

一般に、利益相反規程は「相反を生じさせない」ことを目指す。しかし本協会の構造は、設立経緯上、相反が構造的に内在している。これを消去することは現実的でない。

そこで本規程は、次の方針をとる。

  1. 相反の存在を前提とし、隠さない
  2. 判断への関与を、手続きによって遮断する(第8条)
  3. 遮断が機能したことを、第三者が検証できる形で開示する(第14条)
  4. 検証者(監事)に、実効的な停止権限を与える(第13条)

「相反がない」と主張する組織より、「相反はある。だからこう遮断し、こう開示している」と示す組織の方が、長期的には信頼される。本規程はその立場に立つ。

本文書は草案であり、理事会の承認をもって正式版となります。改訂にあたっては、改訂案を30日間公開し、意見を募集します。

本文書に関するご意見は お問い合わせフォーム よりお寄せください。

一般社団法人 日本AIディレクション協会(設立準備中)